おじさんの きんのたま

ポケモン対戦を始める全てのトレーナーへ、きんのたまの様な序盤で役立つ知識を紹介するガイドです。

テラスタルについての考察

スカーレット・ヴァイオレットでは「テラスタル」というギミックが

対戦の核となっていますね。

 

そんなテラスタルについて、1か月のランクマッチを通じて

「テラスタルとは何か」という考察を深めておきたいと思います。

 

 

〈仕様確認〉

・テラスタルは1回の戦闘で1回しか使えない。

・テラスタルは1回の戦闘で1匹のポケモンにしか使えない。

・テラスタルはお互いのターン開始フェイズに発動し、

 技よりも優先度が高い。

・一度テラスタルしたポケモンは戦闘不能になるまで

 テラスタル状態が解除されない。

・テラスタルしたポケモン保有していたテラスタイプの

 単タイプ扱いとなる。

・テラスタル前のタイプとテラスタイプに一致がある場合、

 タイプ一致技補正が2倍になる。

・テラスタル前のタイプとテラスタイプが一致せず、

 テラスタイプと一致するタイプの技を使用すると一致補正1.5倍がかかる。

・テラバーストは現状で全ポケモンが覚えることができる。

・テラバーストは非テラスタル状態で使用するとノーマルタイプ技となる。

・テラバーストはテラスタル状態でテラスタイプの技となる。

・テラバーストはAかCの高い方の数値に依存した攻撃属性となる。

 

 

 

→ではそのテラスタルとは何であるか

 

 

〈戦術分類〉

戦術的に有効な用途としては以下の分類が挙げられると見ています。

「火力ブースター」

 →火力の上限突破要素として機能

「弱点ずらし」

 →弱点をずらす事で耐久調整ラインを外し

  ダメージレースにアドバンテージを得る

「無効タイプ化カウンター」

 →先制技に多いノーマル/ゴーストタイプを

  ゴースト/ノーマルタイプになる事で無効化するほか、

  ドラゴン→フェアリー、毒→鋼、

  地面→飛行、電気→地面、エスパー→悪等の無効化を

  相手の技を読んでテラスタルする事で発生させ、

  カウンターで技を通す戦術

「フリータイプのサブウェポン」

 →高速広範囲アタッカーによる範囲拡大要素

「要塞型両刀攻撃技のわざスペース圧縮」

 →ビルドアップ+瞑想など、両面積みによる要塞型で

  両面の火力を積めるポケモンにとっては適宜積み方によって

  テラバーストの属性(物理/特殊)を任意で切り替える事が可能

 

〈不利要素〉

共通のデメリットとして

【戦闘不能になるまで単タイプになる】

という事があります。

 

これはかなり強力なデメリットで、

通常時一致技であったメインウェポンが火力ダウンする、

優秀なタイプ耐性を失う、

などといったデメリットが戦闘不能まで続き、

ラスタルを誘発させられた側にとって痛手となる事があります。

 

 

また、戦術上の特性として

【テラスタルした後はその事実が確定している】

という点も重要です。

ラスタル前は何のタイプに、どのポケモンが、いつ、

ラスタルするのかが不明であり、

「不明である」事自体が生む圧力を持っています。

この圧力はテラスタル発動時に効力を発揮するだけでなく、

読みあいの中で「○○タイプにテラスタルする場合を想定した技選択」

を相手にさせるというアドバンテージを生み続けます。

しかし、一度テラスタルを切ってしまえばそのアドバンテージが失われます。

特に、「対面構築による殴り合い」では

ラスタル後もそのまま殴り続ける事が多く、

長期的にテラスタルを有効活用しやすいのですが、

「サイクル戦」の中でテラスタルを切ると、

切った瞬間にはアドバンテージを発揮するものの、

サイクルが1巡して2サイクル目として出てくる際には

ラスタルによってズレたタイプがバレているだけでなく、

パーティ構築を組んだ時点でのタイプバランス、

選出段階で組み上げたタイプバランスを大きく崩してしまい、

タイプ相性上の欠陥を生みやすい特徴があります。

元々のタイプは通常「相性補完」を考えて組みますが、

弱点ずらしや範囲拡大、無効タイプ等の用途でタイプをずらしてしまうと

本来そのポケモンのテラスタル前に苦手なタイプを補完する筈の

裏のポケモンの役割に遂行対象が一部被ってしまい、

自ずとタイプの偏りから欠陥を生みやすい特徴があります。

 

現状でサイクル戦が主流となっているのも、

そうした「タイプずらし対策」としての側面が

有効であると広く認められている証左となっていると思います。

 

〈定石への紐とき〉

これらを総合して、一般論として帰結すると思える内容が

「テラスタルは可能な限り後半に切った方が有利」

「序盤にテラスタルを切る場合、

 テラスタルによって相手の1匹を落としきる程度の

 アドバンテージが見込める場合でなければ不利要素と働きやすい」

といった構図が見えてきています。

戦術的に火力ブースターとしての一致テラスタルを使用し、

そのポケモンがサイクル上タイプ耐性を不利に作用し難いような、

例えばイルカマンの様なポケモンの特殊な例を除き、

この「テラスタルは後半有利」は崩れにくいと言えるでしょう。

※イルカマンの場合であっても

 相手に択の幅を広げさせる観点から

 後半にテラスタルを切った方が有利ではあります。

 

 

 

今後もさらにテラスタルに対する理解を深め、

戦術を深めて行くことがパルデア地方で生き残る方法ではないでしょうか。

皆様も様々なアイディアで戦術を生み出して頂ければ

対戦環境がさらに味わい深いものとなると思いますので、

ご一緒に研鑽の道を歩んで頂ければ幸いです。