3-3 代表的な戦術② サイクル戦構築
3-3 代表的な戦術② サイクル戦構築
前回は、「勝つための考え方」について、
対面構築をご紹介しました。
大まかな勝ち方分類の3種類
・対面構築
・サイクル戦
・環境コントロール(全抜き)
から、今回は2つめのサイクル戦についてご紹介します。
二度目となりますが、
これはあくまでも構築段階のベースとなる考え方であって、
実戦では相手の行動にあわせ、構築の狙いとは異なる種類の勝ち方を
目指す事も少なく有りません。
ただ、構築段階でこうした傾向をある程度意識しておくと、
勝つ為に必要な行動や避けたい状況が明確化する為、
状況を有利に運びやすくなります。
②サイクル戦構築
「ポケモンを入替える行為は1ターン分のロスである」
という事を強く意識したのが対面構築でしたが、
今回はその逆の発想です。
御三家と言われる最初のポケモンはタイプ相性が3すくみになっており、
じゃんけんの様な関係性ですよね。
これを使って簡単にご説明致します。
お互いの手持ちが上の画像の様な3体同士によるミラーマッチを想定して下さい。
貴方の1匹目がエースバーン、相手の1匹目がゴリランダーで開始します。
タイプ上有利な貴方は炎技で攻撃しますが、
相手は弱点を突かれてしまうと読んで、インテレオンに交代しました。
この時、相手は1ターン無駄にしましたが、タイプ上有利なインテレオンで
エースバーンの炎技を半減させながら受けました。
2ターン目、相手のインテレオンから水技を撃たれると、
こちらのエースバーンは弱点を突かれてしまいますね。
そこで、貴方は水技を半減で受けられるゴリランダーへ入替えようと考えます。
この様に、有利/不利の局面に対してポケモンを入替えて対処する事は
実戦ではよくある事だと思います。
この様に、入替えをお互いに頻繁に行いながら有利なポジションを奪い合う
戦いの流れの事を「サイクル戦」と呼びます。
(お互いにクルクルと回る様にポケモンを入替えていますね)
このサイクル戦を想定して、サイクルの中で
相手から受けるダメージよりも多くのダメージを与えて削り勝とうとするのが
サイクル戦構築です。
サイクル戦構築の目的はサイクル戦上での微有利を積み重ねる事にありますが、
その手法には様々な傾向があり、一口にサイクルと言っても色々な分類があります。
a.攻撃型サイクル
b.トンボルチェン
c.受けサイクル
d.受けループ
火力順では大まかにこの様に分類できると思います。
人により呼称定義に揺らぎがある為、どこからどこまでがこれという
明確な基準はありませんが、大まかにこの様な印象として分類可能です。
詳細を見てみましょう。
a.攻撃型サイクル
名前の通り攻撃的なサイクル構築です。
高い火力で相手が受けに後出ししてきたポケモンに大ダメージを与え、
それを積み重ねる事でサイクル上有利を取ろうとする考え方です。
この場合高火力を押し付ける事が最大の目的ですので、
相手に入替えを強制する程の高火力が必要です。
(入替えなければ即死してしまう様な高火力)
そこで、相手が入替えて受けに出てきた場合、サイクル戦では
お互いが同じターンで攻撃し合う場面は少ないと想定できます。
つまり、素早さによる優劣があまり生まれないという特徴があります。
よって、高速高火力アタッカーよりは、
高耐久・中~低速・高火力アタッカー(HA振りやHC振りなど)
が多く採用される傾向にあります。
また、サイクル戦では単発の打ち合いになる為、
こだわりハチマキやこだわりメガネをほぼノーリスクで使用可能になります。
また、亜種として「積みサイクル」というものもあり、
相手の交換に併せて積み技を使用し、高火力を押し付けるものもあります。
この場合、攻撃型サイクルよりもサイクルを回す長さが短くなり、
より対面構築寄りなショートサイクルと考える事ができます。
b.トンボルチェン
純粋なサイクル戦では入替えにより、有利不利の立場が1ターンずつ交互に
入れ替わる事が解ると思います。
トンボルチェンとは、「とんぼがえり」「ボルトチェンジ」といった、
相手にダメージを与えながら入替えを行う技を使用する事によって、
有利不利の立場を入替えずに、常に有利な立場を維持し続けながら、
同時にダメージを与え続けるというサイクル戦に特化した構築です。
攻撃型サイクルの一種で、とんぼがえりやボルトチェンジは単発になる為、
こだわりハチマキやこだわりメガネを主に持たせる事になります。
トレーナーによるポケモン入替えは技よりも先に行われる為、
相手の入替えを見た後、トンボルチェンのダメージを与えつつ、
相手のポケモンに対して有利なポケモンを後出しし続けるといった戦術です。
c.受けサイクル
逆の発想で、相手の攻撃を高耐久ポケモンで微ダメージに受け止め、
相手に対してはそれ以上のダメージを与えられればサイクル上有利であるという
考えに基づくサイクル構築がこちらです。
攻撃側ステータスに努力値を振る場合、攻撃面ステータスに努力値を使う分、
耐久面にはHPまたはBorDなど、一点にしか努力値が割けません。
受けサイクルではH-BまたはH-Dに強く努力値を入れておき、
ほぼ無振りの攻撃面ステータスからタイプ上等倍などの中程度ダメージなどを
チクチクと与え続けサイクルに打ち勝とうという考え方の戦術です。
また、この時のダメージソースとして、攻撃技だけでなく、
HPに対して一定割合で与えるダメージ
例:毒や火傷、ステルスロック、まきびし、天候ダメージ、宿り木の種
や、固定値を与える技
例:ナイトヘッド、ちきゅうなげ
などを使用すると攻撃面に努力値を入れていなくても
一定のダメージソースを確保しやすく、
サイクル上有利になるとする考え方です。
d.受けループ
受けサイクルをより受け寄りにした構築で、
ほとんどのメンバーが回復手段を持っています。
これにより、相手から受けたダメージを上回る回復量で
ほぼ無傷の状態を常に維持しながらサイクルを回し、
相手にダメージを徐々に蓄積させて打ち勝とうとする戦術です。
この内、高速回復技(HP総量の1/2を回復するタイプの自己再生など)を
全てのメンバーが備えた構築の事を
「純正受けループ」と呼ぶ事があります。
回復量が被ダメージを上回るという事は、その状態を維持すれば
制限時間を考慮しなければ無限にサイクルを回し続けられる事を意味します。
よって、この「サイクル」が「ループ」となる為この様に呼ばれています。
明確にこうした型に当てはめた構築もあれば、
一部にその要素を取り込んだ構築など、
構築は無限にあります。
対面構築の中にトンボルチェン技を仕込んでおき、
相手次第ではトンボルチェンサイクルに移行したりといった中間手段もあります。
発想次第で色々な戦術が可能ですので、ぜひ研究してみて下さい。
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